ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 〜予習して見に行に行かないと分からない映画〜
クソ長いタイトルですよね。強引に日本語に直すなら、『ハリウッドおとぎ話』とかでしょうか。クソださ。誰も見なさそう。
『ワンハリ』という呼び名が定着(?)してるみたいなので、僕もワンハリと呼びたいと思います。
呼び名はともかくとして、観てきました。
ざっくりとした感想としては、「シャロン・テート殺害事件やチャールズ・マンソンのことについて知らなかったら話が全く分からないな」という感じでした。
実際、映画を観終わった後、若い年代の人はほとんどボケーっとしてました。
シャロン・テートなどを知らないと本当にただヒッピーを退治したみたいなクライマックスに見えるので仕方ないと思います。
途中プッシーキャットと呼ばれるヒッピーが、「きっとチャーリーもあなたを気に入るわ」みたいなことを言っていますが、結局チャールズ・マンソン出てこないし。
ざっくり前提知識として説明すると、1969年8月に若手のハリウッド女優だったシャロン・テート(しかも妊娠中)が複数のヒッピーに殺されるという事件が起きました。そのヒッピーたちのリーダーとして殺害を指示したのがチャールズ・マンソンなんですね。
「マリリン・マンソン」のマンソンは彼の名前から取られてるほど、影響力があったようです。
この作品のラストは、もしこの映画の主人公2人がいたらハリウッドの歴史に残る事件はこんな風になったのに、というパラレルワールドというかタランティーノ監督の希望を表したラストなのかなと思います。そういう意味で『ハリウッドおとぎ話』という勝手につけた邦題も少し良いんじゃないでしょうか。クソださいけど。
ちょいちょい印象に残ったシーンを挙げていきます (ネタバレかも)
・やっぱり何と言っても、ブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオの友情。近づきすぎず遠ざかりすぎず。それでも長い付き合いから確実に互いの信頼が見える感じがすごい良かったです。
兄弟以上嫁以下という映画内で言われた表現がまさに当てはまる感じですよね。
男2人の友情模様を描いた点では今年のアカデミー作品賞をとった『グリーンブック』と近いものを感じます。 『ワンハリ』もアカデミー賞のなんらかの賞はとりそうですよね。
・ヒッピーの共同生活の場のシーン
ラストシーンと同じくらい緊張感のあるシーンはブラピがヒッピーの共同生活の場に行くところですよね。とにかく不気味の一言。開放的な場所なはずなんだけどどこか息苦しくて暗くて不安になる感じ。絶対にあんなとこ行きたくないです。なんであのおじいちゃんに会っちゃいけないのかとか具体的なところが描写されないのは不満だけどもそれもまた不気味。
ディカプリオがヒッピーのことを蔑む発言を何度もしてますし、ヒッピーというものがアメリカの大多数の人や思考からどう捉えられていたのかがわかるシーンだと思います。
・シャロン・テートのプライベートシーン
シャロン・テート役のマーゴット・ロビーとてつもなく美人でした・・・あんな人が街にいたらみんな釘付けでしょう。そんなマーゴット・ロビー演じるシャロン・テートが映画館などにうろつくシーンが印象深かったです。
シャロン・テートというとやっぱり殺害事件のことしか知らなかったんです。彼女の演じているところはともかく、や彼女がどういう日々を過ごしてきたなんて当然知るわけもないですよね。そういったところが描かれることで、殺されてしまったシャロン・テートという人に思いを馳せることができるのかなと思いました。
という感じです!
1960年代前半のハリウッドのレトロな感じが知れるし、そういうのが好きな人とかにはすごい良い映画なんじゃないかなと思います。
なんとなく、ブラピとディカプリオが共演してるから見ようかなみたいな人はあらかじめ、シャロン・テートやチャールズ・マンソンについて調べることをお勧めします。
自分的には
★★★★☆という感じです!
ちょっと省略されてるところ(子役のところとか)が多かったのが不満でした。未公開シーンを含めると4時間以上あるらしいので、DVDとかで未公開シーンも含めてみたいですね。